肩甲骨は「肩を動かす土台」であり、上腕骨頭の向き・肩峰下スペース・筋の張力バランスを調整して、肩関節の運動効率と安定性を保つという役割があるとされています(https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11065746/)。
肩甲骨の土台が崩れると、前方組織へのストレス増加、腱板への圧迫、神経筋パフォーマンス低下につながります。
その他には肩甲骨は頸部との関係も深く、慢性頸部痛に対する系統的レビュー・メタ解析では、肩甲骨への介入で痛みが軽減し、前方頭位が改善する可能性が示されています(https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10983729/)。
もちろん、全てが肩甲骨だけで頸部痛や前方頭位が改善されるわけではありませんが、少なくとも肩甲骨は関係性いることが分かります。
肩甲骨が重要だということが分かったら、肩甲骨が機能しているかをどう見るのか(評価)、そしてどう改善するのかという視点で肩甲骨を見ていく必要があります。
【肩甲骨の評価の考え方】
姿勢から見る静的なアライメント評価を基準に以下の2つを主とした視点で見ていく必要あります。
❖肩関節に関わる評価
❖CKCでのStabilityとしての肩甲骨評価
~肩関節に関わる評価~
肩甲上腕関節には「上腕肩甲リズム」と言い肩甲上腕関節と肩甲胸郭関節が2:1で比率で連動して動くとされています(Codman 1934. Inman 1944.)
肩甲上腕関節が120°挙上したときに、肩甲胸郭関節は60°(肩甲骨の上方回旋)動き、トータル180°で完全挙上ができるわけです。
つまり、肩甲骨の動きを評価することで、肩甲骨が肩関節に影響を及ぼしているかが分かります。また、そのときの動きの質で、何筋がどう機能していないのかもおおよそ予測できます。
その他では肩甲骨の最終挙上時の下角の位置や、挙上初期から最終までの間の肩甲骨の挙上の程度、最終挙上時の手掌の向き、脊柱の代償などを見ながらトータルで肩甲骨の安定を評価していきます。
~CKCでのStabilityとしての肩甲骨評価~
先ほどの上腕骨に関わる評価ではOKCで見る方法になります。StabilityではCKCでの評価が必要になります。
ヒトは、上肢で地面や壁を手で支え、動作変換や遠い所へ手を伸ばすなどして目的を遂行しています。つまり、支えるという機能があるということです。
正直、この観点からの評価をしているセラピストはあまり見かけないように思います。
肩甲骨-脊柱・骨盤-股関節は連動して動きます。これはCKCにて同側の関係性(右手-右脚、左手-左脚)や対側の関係(右手-左脚、左手-右脚)で安定と動作を遂行しています。
つまり、右の肩甲骨が安定性を失えば、同側の股関節や対側の股関節への影響が出る可能性があるということです。
評価としては「四つ這いRock Back」や「ハイハイ」といった動きで評価ができます。
その他ではプッシュup(腕立て伏せ)での肩甲骨と脊柱の関係性を評価したり、壁押しでの肩甲骨の安性を評価できます。
CKCの動作の中で、肩甲骨がどう影響しているかという観点を見ることで、問題を抽出でき、それに対してどうアプローチするかで、改善の方向に進みます。この評価が不足していれば、問題抽出が難しく、ただ行っているだけのアプローチとなってしまうでしょう。そうならないためにも、肩甲骨の機能をOpenとCKCで分けて考え、評価する必要があります。
実は評価を理解していれば、運動やアプローチ中も正しくできているかが分かり、エクササイズ中も細かな修正をかけ、体性感覚を養うことができます。このフィードバック機能を繰り返し、神経系と出力が上がれば、肩甲骨の機能は改善されるでしょう。
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