局所と全身のアプローチの考え方

RAS Academy School代表の清家です。

私はもともと、アスリートとして活動していたため、人の体を「動きの質」として考えることを自分の感覚として持っています。

そのため、理学療法士1年目から基本的動作のバイオメカニクスやアナトミートレインを学び、3年目からはMovement scienceを10年以上も学びました(とても楽しくてしょうがなかったですw)

しかし、その間動作でけでは改善度合いが低く、局所の勉強にも励みました。

局所と動作(全身)の両者を学ぶことで、今起こっている問題とそれが起きた根本の原因を評価することができます。それゆえに、その場の改善だけでなく、再発予防とより高いパフォーマンスの獲得を提供することができます。

理学療法士の歴史は、1960年~1980年頃に運動学的アプローチが中心的でしたが、1980年以降、医学全体の進歩と、従来の「動き」だけを見るアプローチの限界があり、マクロからミクロ(組織学・ミクロ解剖学・バイオメカニクスなど)へと視点が深まりました。

そのため、理学療法士の大半はミクロ的視点でアプローチすることが多くなりました。徒手療法が広がったのもその理由かもしれません。

しかし、日本での運動学的アプローチは発展していません(米国やチェコでは動きの科学として発展しています)。

【局所という考え】

腰が痛い、膝が痛いなど訴える患者さんに対して、椎間関節や関節包、膝の滑液包、半月板など組織学とバイオメカニクスを考慮した評価を行い、それに対して徒手療法を行います。

腰や膝にストレスがかかっている場合には、局所のアプローチはとても効果的で、痛みの改善に繋がります。

しかし、なぜそこにストレスがかかってしまったのか…?

局所だけで考えてしまった場合に、この「なぜ?」に思考が向きません。

【全身という考え】

歩行や立ち上がり動作は、ある程度統計的な正常があります。また、運動力学的観点を用いることで、どうのようなエラーが出ると、身体にストレスがかかるのかが分かります。

つまり、前述した局所の問題がなぜ起きたのかが、動作を細かく評価することで把握することができます。

姿勢や動作(歩行や痛みを作っている動作など)を評価し、なぜそこに痛みが出ているのかを考えていくのが全身的評価です。

全身的動きが起こす局所の問題は関節の状態や靭帯、滑液包、筋腱の滑走性など様々です。これは細かい評価が必要で、1980年代以降に主流となったミクロの考え方になります。

局所の状態が改善されれば、そもそも局所に与えていたストレスの根本原因「動作の異常」を改善させる必要がります。

ここが改善されなければ、局所のストレスは消えません。動作改善といっても「ただ筋トレさせる」「ただ運動させる」という単純な考え方では、動作異常は改善されません。ここは運動力学的視点と動きの科学の両方を考えて、患者さんの動きの癖を徹底的改善させる必要があります。

傷の後にできる「かさぶた」を例にすると分かりやすいかもしれません。

かさぶたができたとき、掻いてしまったら血が出ます。かさぶたを局所と考え、この局所は自然治癒で治るものなのに、「掻く」という動作を繰り返していたら、また血が出て固まっての繰り返しになり、中々治りません。

何を改善させなければいけないのか。それは「掻く」という動作をやめさせなければいけません。局所の改善には、傷ができれば消毒し、かさぶたができれば、掻かないという動作改善で完治します。

局所的アプロ―チも全身的アプローチも必要で、どちらが欠けても成り立ちません。

こんな考え方を持てると、患者やクライアントのQOLは上がり、その人の人生は幸せになるでしょう!

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